飽和潜水士という職業をご存知ですか?
水深100メートルを超える水中で作業をする潜水士のことですが、主に海底油田などで働く人が多いです。
時には海中に深く沈んだ沈没船の捜索などでも活躍することもあります。
2023年4月に発生した陸上自衛隊のヘリコプターが墜落事故で、海底に沈んだヘリコプターの捜索活動で飽和潜水士が活躍しました。
水深100メートルを超える水中で危険を伴う職業の飽和潜水士の給料(年収)はどのくらいなのか気になりますよね。
命の危険がある職業なので、それ相応の給料(年収)のはずです。
こちらの記事で、飽和潜水士の給料(年収)について調査しました。
飽和潜水とは?
体を深海の水圧に慣らし、通常潜れない場所への潜水可能にするための技術のこと。
飽和潜水士はまず高い圧力環境を再現・維持できるカプセルに入り、作業現場と同じ圧力までカプセルの中の気圧を上げて高圧化に順応してから、水中へと移動して作業を行います。
2023年4月の事故で墜落したヘリは水深100m前後のところにあるということなので、水圧はペットボトルがペチャンコになり、人間の肺が10分の1に縮むくらいの圧力があります。
飽和潜水士の給料や年収は?
厚生労働省が運営している職業情報提供サイトO-NETによると、平均年齢43.8歳時の潜水士の平均年収は431.7万円と発表されています。
国税庁が発表した「令和3年分民間給与実態統計調査」によると、2021年(令和3年)の日本人の平均年収は443万円なので、潜水士の平均年収の方が低いことが分かります。
ただし、潜水士は勤務先によって年収が大きく変わるようです。
①国家公務員(海上保安庁・海上自衛隊)
②民間企業
③フリーランス
に分けられます。
今回は2023年4月に起きた陸上自衛隊のヘリコプターの墜落事故の捜索は海上自衛隊が行うので、国家公務員の給料(年収)に注目します。
国家公務員(海上保安庁・海上自衛隊)の潜水士の平均年収は約690万円。
海上自衛隊の潜水士の平均年収は42歳で約690万円、平均給与は約42万円と発表されています。
なので、海上自衛隊の潜水士は日本人の平均年収よりも高いことが分かりました。
そしてこちらの記事を作るにあたり、調べていると25歳で自衛隊入隊7年目の3等海曹の女性飽和潜水士の方(シズカ@飽和潜水士アドバイザーさん)が月370万円の俸給があったという記事も見つけました。
もちろん、これほどの高額な給料を毎月もらえる訳ではないですが、手当がつくことで高額な給料を頂けるようです。
飽和潜水士の報酬や手当がある!
何回潜水したか、水深何メートルかによっても金額が変わるとのこと。
私が頂いたひと月の俸給370万円は、440mの高圧室で30日の飽和潜水に従事したことによる潜水手当が基本給に乗ったことにより計算された額です。
30日間4畳半くらいの広さの高圧室内で男性6名が衣食住を共にします。
ダイバーや機器に異常がないか24時間モニタリングされています。
食事は3食提供され、洗濯もしてもらえます。
刑務所に入ったことはありませんが、自分の意志で外出できない息苦しさは似ているかもしれません。
刑務所と違って共同生活を余儀なくされるのは人間関係が良好でないと辛い以外の何ものでもありません。
高圧環境による身体的な影響以上に24時間監視、上司との人間関係、減圧終了まで逃げられない監禁状態といった精神的ストレスの方が当時の私には堪えました。
そんな30日間の修行の末手に入れたのが370万円です。
引用:シズカ@飽和潜水アドバイザーより
とても過酷な労働ですね・・
危険を伴う、命懸けのお仕事だから高額な手当がつくのは納得です。
シズカ@飽和潜水士アドバイザーさんによりますと、飽和潜水士には基本給の他に、乗組手当・航海手当・潜水手当などが
つくそうです。これらの手当が年間約200万円ほど。
さらに年1回行われる飽和潜水の特別訓練に参加できると特別訓練手当がさらに100~200万円つきます。
この特別訓練に参加できるのは限られた方、(予備潜水士1名を含んで7人)だそうです。
乗組手当 | 海上自衛官の海上勤務の特殊性を考慮した手当 |
航海手当 | 海上自衛官が乗り組んでいる艦船がその定けい港を出発した日から当該定けい港に帰着した日までを航海を行った日として出される手当 |
潜水手当 | 作業を開始してから作業を終了するまでの時間と潜水深度の区分に応じて出される手当 |
特別訓練手当 | 440m高圧室で30日間の飽和潜水に従事する訓練をした場合に出される手当 |
まとめ
こちらの記事では飽和潜水士の給料(年収)についてまとめました。
基本給プラスさまざまな手当が乗ることで高額になることもあると分かりました。
命を掛けるお仕事なので納得でしたね。